○海南市議会議員政治倫理条例
令和2年6月18日
条例第19号
(目的)
第1条 この条例は、海南市議会議員(以下「議員」という。)の政治倫理に関する基本となる事項を定めることにより、公正で民主的な市政の発展に寄与することを目的とする。
(議員の責務)
第2条 議員は、市民全体の代表者として、自らの役割を深く自覚し、市民の信頼に値する高い倫理性を保つことに努めなければならない。
2 議員は、政治倫理に反する行為があるとの疑惑を持たれたときは、その疑惑を解明し、責任を明らかにしなければならない。
(政治倫理基準)
第3条 議員は、次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。
(1) 常に市民全体の利益の実現及び福祉の向上を目指して行動すること。
(2) 市が行う許可及び認可並びに指定管理者の指定又は請負その他の契約及び補助金等の交付の決定に不正に関わらないこと。
(3) 市の職員の採用、昇任、降任、転任その他の人事に関し、公正を害する行為をしないこと。
(4) その地位を利用して嫌がらせをし、強制し、又は圧力をかける行為その他人権侵害のおそれのある行為をしないこと。
(5) 発言又は情報発信を行うときは、公人としての自覚及び責任を持って行い、他人の名誉を毀損し、人格を損なう一切の行為をしないこと。また、第三者をして同様の行為をさせないこと。
(6) その地位を利用して金品の授受をしないこと。
(7) 市等の職員の公正な職務の執行を妨げ、その職務権限を不正に行使させるような働きかけをしないこと。
(8) 法令等を遵守し、議会及び委員会の決定事項並びに議会の申し合わせ事項を誠実に守ること。
(請負に関する制限)
第4条 議員は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第92条の2の趣旨を尊重し、議員の兼業について、市に対して行う請負その他の契約に関して不正の疑惑を持たれないように努めなければならない。
(審査請求)
第5条 地方自治法第18条の規定により当市に選挙権を有する者(以下「有権者」という。)は、議員が政治倫理基準に違反する疑いがあると認められるときは、当該議員が政治倫理基準に違反する疑いがあることを証する資料を添え、次に掲げる連署をもって、議長に対し、審査の請求(以下「審査請求」という。)をすることができる。
(1) 議員以外の有権者にあっては有権者の総数の50分の1以上の者の連署
(2) 議員にあっては議員定数の12分の1以上の者の連署
2 前項第2号に掲げる連署は、2以上の異なる会派(会派に属さない議員については、まとめて1つの会派とみなす。以下同じ。)に属する議員によるものでなければならない。
3 審査請求は、政治倫理基準に違反すると認められる事実があった日から起算して1年以内に行わなければならない。ただし、議長が特別な事情があると認めるときは、この限りでない。
(審査会の設置等)
第6条 議長は、審査請求を受けたときは、議会運営委員会に審査請求の適否を諮り、出席委員の3分の2以上の賛成があったときは、海南市議会議員政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を設置する。
2 審査会の委員(以下「委員」という。)は6人以上とし、議長が各会派からそれぞれ1人以上選任する。
3 審査の対象となる議員(以下「審査対象議員」という。)は委員となることができない。
4 審査会に委員長及び副委員長を置き、委員の互選によりこれを定める。
5 委員の任期は、当該審査が終了し、審査結果を議長に報告した日までとする。
6 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
(審査会の会議)
第7条 審査会の会議(以下「会議」という。)は、委員の半数以上が出席しなければ開くことができない。
2 会議の議事は、出席委員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。
3 会議は公開とする。ただし、委員長は会議に諮って非公開にすることができる。
4 審査会は、審査対象議員に審査会への出席を求め、弁明の機会を与えなければならない。
5 審査会は、審査対象議員その他の者に対し、事情聴取、資料の提出要求その他の必要な調査を行うことができる。
(議員の協力義務)
第8条 議員は、審査会からの求めに応じ、審査に必要な資料を提出し、又は会議に出席して、意見を述べなければならない。
(その他審査会に関する事項)
第9条 前3条に定めるもののほか、審査会に関する事項は、海南市議会委員会条例(平成17年海南市条例第165号)及び海南市議会会議規則(平成17年海南市議会規則第1号)に規定する委員会の例による。
(審査結果の報告)
第10条 審査会は、当該審査請求の審査を終了したときは、速やかにその結果を議長に報告しなければならない。
2 審査会は、審査対象議員に政治倫理基準に違反する事実があると認められるときは、前項の規定による報告に次のいずれかの措置を講じるべきかの意見を添えなければならない。
(1) 議員辞職の勧告
(2) 議会内での役職辞任の勧告
(3) この条例の規定を遵守させるための警告
(4) その他必要と認める措置
(審査請求の棄却)
第11条 議長は、審査会から棄却すべき旨の報告を受けたときは、当該審査請求を棄却する。
(審査対象議員に対する措置)
第12条 議長は、審査会からの報告に基づき、政治倫理基準に違反したと認められる議員に対して、議会の名誉と品位を守り、市民の信頼を回復するため、必要な措置を講じなければならない。
(公表)
第13条 議長は、審査の結果を公表しなければならない。
(議長の職務の代行)
第14条 議長が審査会の審査対象議員となったときは副議長が、議長及び副議長がともに審査対象議員となったときは議会運営委員会委員長、議会運営委員会副委員長、年長議員の順で、この条例による議長の職務を行うものとする。
(委任)
第15条 この条例の施行に関し必要な事項は、議長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(検討)
2 この条例は、社会情勢の変化等を勘案し、見直しを行うものとする。