私が高専に進むと決めたのは、姉が通っていた影響と、「性格的に専門職が合っているのかなぁ」という、漠然とした理由からでした。
災害や環境保全について学ぶ学科を専攻し、研修旅行で東日本大震災の被災地を訪れたのですが、ある宮城県の役場で、「震災の時は役場が被災したために復旧が遅れてしまった」という話を聞き、災害復旧の指揮をとる自治体の庁舎が被災する怖さを知りました。
ちょうどその時期に、海南市役所が現在の高台に移転したことを聞き、今まで学んできたことを生かせる土木職として、海南市に就職することを考えるようになったんです。
今私は、農林漁港班で、農林漁業施設の設計、現場監督をしています。
例えば、農業者の方から、農道が崩れているので直してほしいと言われれば、現場を確認して測量し、規模・金額の確認や、図面を設計して施工業者さんと工事を進めていく…といった感じです。
2023年6月の豪雨災害は、今まで経験したことがない大きな災害でした。
復旧作業はもちろん、国に対して行う補助金の要求など、初めて経験することだらけで目が回るくらい忙しかったのですが、農家さんや漁業者さんに少しでも早く事業を再開して欲しい…という一心で毎日仕事をしていました。
復旧はまだ終わっていませんが、今後起こりうる災害への備えとして、確実に経験値は上がったと思っています。
土木の仕事って、正解が一つではないんですよね。
同じ構造物を作っていても、現場への道幅や工期などで工法が変わったりするんです。
特に私たち市役所の人間は、現場ごとの地域性も考慮しなければなりません。
だからこそ、地域の方々、そして業者さんとの対話や気配りがとても大切なんです。
入庁した頃に比べると、私もだいぶ周りが見えるようになって、多方面に気配りができるようになったと思うのですが…先輩方に比べるとまだまだです(笑)。
小さな農道でも、畑に続く道が通れなくなるとそこで農業ができなくなって、農家さんたちの生活はもちろん、地域の産業にも影響を及ぼすことになります。
入庁した当初はそんな自覚はありませんでしたが、今は「地域の産業を守る仕事なんだ」という責任感をもって仕事をしています。
その結果、地域の方から「あの道通りやすくなったわ」とか「ありがとう」と言われた時は、やっぱりすごく嬉しいです。
私自身、大きな仕事をしたいという野望のようなものはなく、できることが一つずつ増えて、地域の役に立つ存在になるということが、今の目標ですね。
土木職って、よく「残業が多くて過酷な仕事」と思われることがあるのですが、うちの職場はそんなことなくて、とても働きやすいんですよ。
私はものすごく心配性で、上司や同僚にこれでもかというくらい確認をするのですが、どんなことも親身に相談に乗ってくれる雰囲気があります。
毎週月・水・金曜日はノー残業デーで、プライベートも充実させることができているので、好きな美容を楽しんだり、休日は大阪でのショッピングやカフェを楽しんだりしています。
このネイルも、農家さんや業者さんに好評で、「ええなぁその手ぇ」と言ってくれて、場が和んだりするんです(笑)。
そして何より、爪が綺麗だと自分の気持ちも上がって、仕事の活力にもなっています!