社会福祉士としてのモチベーションは、あるきっかけから
社会福祉士としての勉強が始まったばかりの大学1年生の時、電車で隣に座った女性が突然泣きながら私の手を握って「死にたい」と訴えてきたことがありました。
女性はアルコール依存症で、生きることに疲れたと言います。
話しを聞いているうちに女性は落ち着き、同じ駅で降りて改札でお別れしたのですが、その後、女性がどうなったのか今でも気になっています。
当時は勉強し始めたばかりで専門的な知識もなく、ただ話を聞くことしできなかった自分がものすごく悔しかったのですが、その時の経験が、今の仕事へのスタンスやモチベーションにつながっています。
私たち社会福祉士の仕事って、あくまで支援の入口部分なんです。
まずは相談内容をじっくり聞いて、次の支援や窓口に繋げていく仕事なので、必ずしも相談者に最後まで寄り添えるわけではありません。
だからこそ、社会福祉士の法的知識や経験に基づいた、一番最初の判断がすごく大事なんです。
相談者の悩みに同じものはないし、それに対する支援も同じものはありません。
そんな中で適切な判断をして支援を行うことって、すごく難しいんですけど、経験を積みながらスキルアップして、あの学生時代感じた自分の不甲斐なさに対する悔しい気持ちではなく、「どこかで誰かが助かったんだ」と胸を張って思えるような仕事をしていきたいですね。